その1
ー魔女の森にてー
「おひつじさまぁ〜!おひつじさまぁ〜!」
「ってお待ち!!ヨモギちゃんアナタ丁寧語が微妙におかしくてよ!!『おひつじ』だと
ワタクシ『男の子』になっちゃいますコトよ!急いで訂正おし!!」
「やーん女王様御機嫌斜め気味わよね!!67°程度の傾斜を確認わよねー!!」
「人様の御機嫌傾斜を分度器等で計測するのはおヤメ!!まったくアナタと
来たらワタクシを怒らせる為に生まれて来たのかしら!?ってしまったぁ!!」
「・・・・ふぇ・・・・」
「あ、アラアラちょっとお待ち・・・」
「ぇぇぇぇぇぇぇぇんう〜ま〜れ〜た〜は〜な〜し〜す〜る〜!!」
「あぁぁぁ泣くのはおやめなさいなねワタクシが悪かったですわほらほら
笛ガムよ笛ガムすぴーーーー!ヒヨヒヨ!!ほらほらね!?ね!?」
「んぐっ・・・笛ガムぅ・・・??すぴーーーーー!!あ!!あややや!!」
「ね!?面白いでしょ?だからもう涙をお拭きなさいな」
「ヒヨヒヨヒヨ!!すぴーぴーぴぴー!!」
「あらあらすっかり気に入っちゃって。安上がりな娘ねふふ。
でもワタクシ『笛ガム語』にはさっぱり疎いので出来れば普通にお喋りなさい」
「はーいわよね!あ!ヨモギ、女王様にお知らせがあったわよね!」
「あらそう言えば先程慌しく駆け込んで来たのはその為なのかしら?」
「はいわよね!さっき森に三太夫草を取りに行ったわよね」
「三太夫草?また何故にあんな横柄且つ騒々しい草を取りに行ったの?」
「だってだってアレ不老不死の秘薬の元わよね」
「ヨモギちゃん。アレはただの『迷信』ですコトよ。現に秘薬を飲んだ
お年寄り魔女達をご覧なさいな。みんな口汚いおばばになっておしまいに
なったでしょう?んま、ソレは置いておきましょう。で?」
「その三太夫草の毒舌に五分で渡り合ってる子供を発見したわよね!」
「なんですって!?ワタクシ達『魔女』の力が無ければ三太夫草の
毒舌にはたちまち精神が破壊されてしまうハズ!その子供は人間なの!?」
「んー良くわかんないわよね。でも・・・」
「・・・でも?」
「頭に黒い『角』なんだか『髪飾り』みたいのが付いてたわよね!」
「く、『黒い角』!!!?ま、ままままさかソレは・・・・・!!!?」
「??女王様??どうしたわよね?ねぇ女王様ってばぁ!?」
―もずく―
つづき→→
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